■エビングハウス忘却曲線

 物事は一回で覚えることができません。何度も忘れて覚え直すうちに次第に忘れにくくなり(忘却勾配の鈍化)、一定のところで「覚えた」と区切りをつけているのです。そして使わなければやがて忘れます。

 では覚え直す作業をどのような間隔と頻度で行えばよいのでしょうか?これには個人差があり一概に言えないでしょう。しかし漠然と行うのではなく、自分なりの記憶のリズムを把握し、それに基づき少しでも計画的に行いたいものです。SANCOMアプリの意図はここにあります。復習の回数や間隔、および記憶の状態が全て見える化されます。

 語学はトレーニング(反復訓練)と言われます。幼児も母親から言葉を覚える過程で「聞く」「真似る」を無数に繰り返します。SANCOMは反復訓練において7つのムリムダムラがあると考えます。単語学習に例えてみましょう。

⓵複数の意味を一度に覚えるムリ

 一つ一つの単語に時間と労力をかけながら次に進むのが自然な流れです。

⓶音声訓練を伴わないムリ

 幼児と母親の関係を見ても「聞く」「話す」「読む」「書く」の順番です。しかし日本の教育では「読む」「書く」が偏重されてきました。

⓷言葉つらで覚えるムリ

 仮に英単語を聞いたとしてもその実体や概念になかなか届きません。言葉つらだけの浅い記憶では、単語の英訳はできるが和訳ができない(逆も真)といった現象にも現れます。

⓸既知単語に起因するムダ

 単語本の中には既知単語も含まれます。既知単語のために目を追い、ページをめくり、音声を聞き流す時間は明らかなムダです。

⓹外的要因に関連付けるムダ

 前後単語との位置関係を利用して記憶することがあります。前後の単語がなくなったとたんに想い出せなくなります。

⓺順列に起因するムラ

 単語本の初めのほうは復習回数が多く、後のほうは少なくなりがちです。

⓻復習間隔のムラ

 新しい単語に着手していくと、復習を重ねている単語の復習間隔にムラが生じます。


■SANCOMの単語暗記アプリ


■構文暗記アプリの一部紹介

記憶根付(音とリズムの体得)